「復元逸品 船形鉢」のおはなし 

今回は、江戸末期の作品の中でも異彩を放つ作品をご紹介します。

こちらは、正面に配されたコウモリが特徴的な「蝙蝠文船形鉢(こうもりもん ふながたばち)」。
江戸末期に作られていたものの復元品の中でも特に秀逸な、「復元逸品」として知られています。

正面に大きく羽を広げたコウモリをデザインし、反対側には巴紋。
船の意匠は、底面から後方の巴紋に向かう透明ガラスの帯で表現されています。


コウモリが、このようにデザインとして江戸時代の工芸品に取り入れられるなんて、なんだか不思議な気がしませんか?
実は、おとなり中国では古来、その読み方が「福」に通じることから、コウモリは吉祥文として工芸品に用いられてきたのです。
薩摩藩は琉球王国を政治・経済的に支配していたため、琉球が影響を受けていた中国清朝の文化を取り入れやすい環境にあったのです。
このような作品が生まれた背景には、日本の歴史が深く関わっていた…なんて、ロマンを感じますね♪

皆さまも、船形鉢を見る機会がありましたら、江戸時代の日本に想いを馳せつつ眺めてみてはいかがでしょうか。